夏に起こりやすい停電!停電時に慌てないために準備を
近年、地球温暖化による異常気象のためか、梅雨時期の集中豪雨や台風の増加によって日本全国で災害が起こっています。
これまで災害とは無縁であった場所でも、台風や豪雨による被害を受けることがあり、どこのご家庭でも災害に備える対策が求められています。
近年、災害に備える対策の1つとして注目されているのが「太陽光発電」です。
ここでは、台風の増加によって増えるリスクや、災害に備えた太陽光発電の導入について解説していきましょう。
台風の増加によって増えるリスク
近年、台風の増加や集中豪雨による被害が急増しています。
記憶に新しいところで言うと、2020年9月の台風10号は九州の西側を通過し、九州全域で被害が発生しました。
最大で約47万6千戸が停電しています。
2018年8月の台風24号では、宮崎県、鹿児島県を中心に被害が発生。
最大で約31万4千戸が停電し、配電設備の支持物損壊が368本など大きな設備被害をもたらしたのです。
また、九州エリアでは大雨による被害も近年増えています。
2017年7月に起きた九州北部豪雨では、福岡県朝倉市、朝倉郡東峰村、大分県日市を中心に最大で約6千戸が停電しました。
さらに2020年7月に起きた令和2年7月豪雨では、九州中南部地方を中心に大雨が断続的に発生し、熊本県、鹿児島県、大分県を中心に最大で約1万2千戸が停電。
倒木や土砂崩れなどの影響によって、通行不能箇所も多く、復旧作業にも時間を要しました。
このように、台風や豪雨による大きな被害が毎年出ており、その度に停電が起こっています。
自然災害に備えて、停電した時のための対策を考えておく必要があるでしょう。
九州電力における年間の停電回数や時間はどれくらい?
九州電力における年間の停電回数や時間はどれくらいなのでしょうか?
九州電力送配電のサイトによると、1戸あたりの年間停電時間・回数の推移は以下の通りです。
(出典:http://www.kyuden.co.jp/company_history_energy_disaster_disaster.html)
・2014年 停電回数 0.09回
停電時間 45分
・2015年 停電回数 0.16回
停電時間 101分
・2016年 停電回数 0.24回
停電時間 128分
・2017年 停電回数 0.08回
停電時間 25分
・2018年 停電回数 0.14回
停電時間 103分
ここ3年のデータは公表されていませんでしたが、台風や地震などの災害があった年は停電回数、停電時間ともに多くなっていることがわかります。
頻繁に停電が起こるわけではありませんが、起きないリスクも0ではありません。
台風や豪雨、地震などの災害時に「停電するかもしれない」という危機感をしっかり持って、対策を考えておく必要があるでしょう。
停電時に明かりを保つために必要なもの
台風や豪雨などの災害が起きると、停電するリスクがあります。
停電すると電化製品が使用できなくなるのはもちろんですが、明かりも確保できなくなるので、夜間に停電すると大変危険です。
暗い中で明かりを少しでも確保できれば、安全に避難することもできます。
ここでは、停電時に明かりを確保するために必要なものをまとめてみましょう。
懐中電灯
停電時の明かりを確保するツールとして最もポピュラーなのが、懐中電灯です。
懐中電灯は見たい場所をピンポイントで照らすことができるので、真っ暗になった室内でも安全に移動することができます。
災害時のために、1部屋に1本置いておくのがおすすめです。
1部屋に1つ置いておけば、いつでも手に取れるので停電時にも活躍するでしょう。
電池式・充電式ランタン
部屋全体を照らしだせる電池式・充電式ランタンも災害時には活躍します。
LEDランタンであれば消費電力が少ないので、長時間の停電にも耐えられます。
ヘッドライト・ネックライト
頭に付けるヘッドライト、首からぶら下げるネックライトは、懐中電灯とは違い両手を使わずに光を照らすことができます。
暗闇で移動する時や、作業をする時などにおすすめです。
モバイルバッテリー
外出時にスマホを充電するモバイルバッテリーがあれば、USB接続のLED照明などに使えます。
定期的に、モバイルバッテリーの充電をしておきましょう。
ローソク
火を使うことで、明かりを灯すこともできます。
非常用のローソクやマッチ、ライターなども用意しておくとよいでしょう。
ただし、火災防止には十分注意しなければなりません。
ローソクに火をつける際には、コップや深めのお皿などに入れて、火事にならないよう気を付けましょう。
停電時に明かりを保つためには大量の乾電池が必要
停電時の明かりを確保するツールとして懐中電灯は欠かせませんが、懐中電灯やヘッドライトなどは乾電池で動くものが大半です。
そのため懐中電灯を使うと、大量の電池が必要となります。
懐中電灯の電池寿命は、サイズや性能によって違いはあるものの、数時間から十数時間と言われています。
例えば、単三電池4本が必要な懐中電灯の電池寿命が20時間であった場合、夜の間(8時間)だけ3日間使用する場合、単三電池は8本必要です。
懐中電灯が複数本ある場合には、それぞれ電池が必要となるわけで、かなりの量の乾電池を確保しておかなければなりません。
災害発生から72時間(3日間)は人命救助が最優先されるため、物資の輸送や支援などが後回しにされます。
そのため乾電池はできるだけたくさん備えておかなければならず、大変でしょう。
家庭用蓄電池があれば安心!
災害時の明かり確保としては懐中電灯があれば安心ですが、それだけでは災害時対策としては物足りないです。
懐中電灯があっても電気がなければ、電化製品が使えません。
また、スマホなどの通信機器も充電しなければ使えないので、災害時の情報を知ることもできなくなってしまいます。
そこでおすすめしたいのが、家庭用蓄電池です。
家庭用充電池は据え置き型の充電池であり、ポータブル電源よりも大型で、大容量です。
太陽光発電と組み合わせて設置しておけば、自家発電した電気を蓄電池に溜めておくことができます。
明かりの確保はもちろん、IHクッキングヒーターや電子レンジの使用なども可能になります。
停電時に太陽光発電はどこまで対応できるの?
太陽光発電は自家発電のため、停電した場合でも電気を使うことができます。
では、停電時に太陽光発電はどこまで対応できるのでしょうか?
停電時の太陽光発電システムの使い方をまとめてみます。
<h3>停電時に太陽光発電の電気を使うには「自立運転機能」か「蓄電池」が必須</h3>
太陽光発電は「停電時に利用できる」というイメージが強いですが、停電時に太陽光発電で発電した電気を使うためには「自立運転機能」か「蓄電池」が必要です。
どちらかの機能がなければ、停電時に太陽光発電で発電した電気は使用できません。
自立運転機能とは?
自立運転機能とはパワーコンディショナーについている機能のこと。
パワーコンディショナーとは、太陽光発電システムで発電した直流電気を、家庭で使用できる電気に変換するための機械です。
このパワーコンディショナーには自立運転機能が付いているものと付いていないものがあります。
停電時、ブレーカーが落ちると住宅と電力会社との間の電気の流れは遮断されます。
自立運転機能では、太陽光発電で発電した電力を、自立運転専用コンセントを通して、家電に電気供給されます。
自立運転機能を持ったパワーコンディショナーは、停電時に「自立運転モード」に切り替えることで電気を供給できるようになるのです。
ちなみに自立運転機能での電気供給は、太陽光発電ができる日中のみで、太陽が出ていない夜間には自家発電ができないため使用できません。
蓄電池とは?
自立運転機能では、太陽光発電システムで発電した電気を利用することはできるものの、発電した電気を蓄えておくことはできません。
発電した電気を蓄えておいて、停電時など利用したい時にすぐに使えるのが「蓄電池」です。
蓄電池があれば、昼間の時間に、太陽光発電システムで発電した電力を使用しながら蓄電し、夜間には溜めておいた電気を利用することができます。
夜間の急な停電にも、しっかりとした備えになるでしょう。
夜間の停電に対応したいのであれば、蓄電池の設置が理想的と言えます。
太陽光発電だけでどれだけの電力をカバーできる?
台風や豪雨などの災害で停電が起こった場合、太陽光発電システムだけでどれだけ電力をカバーできるか気になっている人は多いはず。
薄曇りの条件で、太陽光発電システムの非常用コンセントと自宅にある電化製品を接続させる実験を行ったところ、テレビ、ラジオ、扇風機、携帯電話の充電など複数の電気機器を同時に使用できることが分かりました。
日照り状況に大きく左右されますが、太陽光発電システムがあることで、多くの電力をカバーできるのです。
自立運転機能で同時使用できる電力は1,500Wまで
停電時に電力を使うために必要な自立運転機能ですが、同時に使用できる電力には1,500Wまでという上限があります。
では、電化製品を使用する場合、どれくらいのW数が必要なのでしょうか?
以下にまとめてみましょう。
・携帯電話の充電 15W
・電子レンジ 1,000~1,400W
・炊飯器 350~1,200W
・電気ポット 700~1,000W
・冷蔵庫 150~500W
・洗濯機 500~900W
・エアコン 300~3,000W
・蛍光灯 20~24W
・ドライヤー 600~1,200W
・テレビ 300~500W
・こたつ 500W
使用W数の少ない電化製品であれば、複数の電化製品を同時に使用することができます。
電子レンジやエアコンなどは使用W数が多いので、同時に使用できない場合もあり、普段通りの電力使用は難しいかもしれません。
ただ、携帯電話など連絡手段の確保ができますし、非常用電源としては十分でしょう。
【まとめ】
近年、台風や豪雨さらには地震など自然災害による被害が、以前に比べて増えています。
災害時に停電が起こるリスクも高く、それに備えた対策をとる必要があるでしょう。
太陽光発電システムを導入しておけば、災害で停電が起きた時でも電気を確保することができます。
また蓄電池も併せて設置しておけば、日中に溜めておいた電気を夜間に使用できるので、停電時でも安心した生活が送れるでしょう。